レビュー

切れ味を捨てたハサミ!FitcutCURVE スマート。

ハサミって、どれでも同じだと思っていませんか?
昔から「馬鹿と鋏は使いよう」という言葉があるように、使い手の使い方次第ではそのものの良さが大きく変わる商品であることは間違いありません。

僕は、10年ほど日本でハサミの企画開発してきました。
自分で言うのも何ですが、日本にある量産型のハサミについては多分、日本でも数本の指に入るくらいの知識・経験を持っていると思います。

今回紹介するのは、2019年8月に発売されたPLUS社のハサミ「フィットカットカーブ スマート」を紹介していきます!

PLUS(プラス)のフィットカットカーブ スマート

PLUSのフィットカットカーブといえば、2012年に事務用ハサミにカーブ刃を採用したことで大ヒットした商品です!

ハサミの各メーカーは、この商品が出る前まで「手が痛くならない」ハンドル素材や構造や、「テープを切っても刃にテープの糊がつかない」刃のコーティングや構造をした商品が多く発売されていました。そこに対して、ハサミで切ることのできる物の幅を広げた商品がこのフィットカットカーブです!

この商品が出るまでは、ハサミはコピー用紙や糸、タグ、封筒などが切れる商品としてとらえられていましたが、事務用ハサミは家庭ではキッチンで使用され”牛乳パック”を切る際に厚くて切りにくい!という点に目をつけ、刃先まで軽く切れるカーブ刃を活用することで、手が置くまで入りにくい牛乳パックも軽く切ることができるという点が受け入れられ、今やこれがハサミとして当たり前の価値として認識されつつあります。
このフィットカットカーブのキャッチコピーは「従来に比べ、約3倍の切れ味」とわかりやすいものでした。

実は、カーブ刃というのは園芸用のハサミなどでは過去から活用されていた技術ではあるのですが、事務用の量産品に導入するには難しいという点や、カーブにすることで細かい作業がしにくくなる。という点が懸念され、各社がチャレンジしてこなかった技術でもあります。ここに目をつけ、チャレンジしたPLUS社は凄いと感じます。

更に余談になりますが、このカーブ刃に名付けられている「ベルヌーイカーブ」は、力学的なカーブ構造であることは間違いありませんが、点の力を分散させるためのものとなります。わかりやすい例としては、橋の強度を確保する際の適切なアーチ形状の算出などに用いられます。一方で、ハサミの場合、テコの原理も複合されてきますので、実際はベルヌーイ曲線のみで算出されたものが実使用での力のかかり具合として最適ではない可能性が高いです。

さて、フィットカットカーブの成り立ちについて説明してきましたが、これまで厚いもの(硬いもの)が切りやすい商品としてカーブ刃を事務用、キッチン用、工具用と展開してきたフィットカットカーブ。今では、携帯用ハサミ「フィットカットカーブ ツイッギー」に続き、収納に便利なハサミ「フィットカットカーブ スマート」と採用されています。

実際に使ってみた!

PLUS社の「カーブ刃」について説明してきましたが、フィットカットカーブ スマートは、収納性の高さべたつかない透明フッ素コートを特徴にあげています!

このことは、パッケージを見ても一目でわかります!

そして、その小ささは普通の事務用ハサミと並べてみてもハッキリわかる程の差があります。全長で15mm程度、柄の幅で20mmほど小さくなっています。刃の長さは5mmほど短く、刃の厚みは従来のフィットカットカーブに比べて0.2mmほど薄くなっていそうです。ハサミの重量の大部分はステンレスの刃によるものですので、刃渡りを短く、薄くすることで軽さを求めていると理解できます。

逆に、この商品では触れていないグリップ部分については、フィットカットカーブが硬い樹脂(ABS)と柔らかい樹脂(TPE)で構成され、「手が痛くならない」工夫をしていましたが、この商品では、硬い樹脂(ABS)のみとなっていますので、切れる物を限定させながら、それに合ったハンドルにしていると感じます。

そう、切れ味を犠牲(捨て)にして、収納性と軽さを求めているのです!
捨てるところを明確にしているところがいいですね。

切れるものは背面に書いていますが、通常ある牛乳パックの表示がありません。

実際に紙、封筒、紐、ガムテープ、厚紙など、いろいろ切ってみると軽さを感じます。
その一方で、フィットカットカーブにあった切れ味は、やはり感じられにくくなっています。

何を求めるかで異なってきますので人それぞれではありますが、これまでフィットカットカーブや他社の主流になっているカーブ刃のハサミを使用している人にとっては、切れ味に物足りなさを感じるのは間違いないと思います。

まとめ

PLUS社の「フィットカットカーブ スマート」をフィットカットカーブの成り立ちと合わせて紹介してきました。同じカーブ刃で展開され、定着してきた商品に対して各社がどのような商品を出していくか、期待したいところです!

≫≫≫トップページに戻る